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外観試験結果 |
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異物は細く短い物質で、ところどころ屈曲しており、両端の形状は断端状でした。断面は、中央が凹んだ「横8の字形」をしていました。 |
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光学顕微鏡による観察試験結果 |
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光学顕微鏡にて透過観察したところ、濃い紺色の顕微鏡像が観察されたことから、染色されている繊維の可能性が高いと考えられました。
また、異物の内部には網目状の毛髄質が観察されたことから、合成繊維や植物類ではなく、毛(動物毛)の可能性が高いと考えられました。 |
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燃焼試験結果 |
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燃焼させたところ、強いケラチン臭(髪の毛が燃えるときの臭い)を出し、勢いよく縮みながら燃えました。また、燃焼後は黒く炭化しました。これらの特徴は、毛の特徴であることから、異物は燃焼結果からも毛の可能性が高いと考えられました。 |
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カタラーゼ試験結果 |
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異物が加熱されているかを調べるためにカタラーゼ試験のご依頼を受けましたが、毛根がなかったことから、カタラーゼ試験を行うことはできませんでした。
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形態観察コースのまとめ |
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ここまでの試験を総合的に判断すると、異物は合成繊維や植物繊維ではなく、またプラスチックの削りカスのようなものではなく、「毛(動物毛の可能性大)」と推定しました。
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※形態観察コースではここまでの試験となります。 |
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形態観察コースの
報告書サンプルを見る |
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PHOTO |
光学顕微鏡写真
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同定鑑別試験結果 |
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毛髄質は網目状の形態をしていました。また、表面の毛小皮紋理(キューティクル)の調査を「スンプ法」を用いて行った結果、毛小皮紋理は細長く幅の狭い整然とした横行波状紋理が観察されました。
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同定鑑別コースのまとめ |
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すべての試験を総合的に判断すると、異物は「ウサギ毛」と推測されました。
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同定観察コースの
報告書サンプルを見る |
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PHOTO |
毛小皮紋理 |
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【コメント】 |
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「形態観察コース」では、異物が動物毛であることは推測できますが、ウサギ毛の特定はできません。
「同定鑑別コース」では、異物がウサギ毛であることがわかりますし、毛ではなかった場合にも、繊維の種類も推測できることが多いですので、繊維系の検査では同定鑑別コースが最適です。
用途に応じて、検査コースをお選びください。
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